No.3 評価:★★★★★

Motor Life Times トップに戻る

Back Nomber

絶版!冬でもバイク。
 今年の冬は寒い。雪も降る。バイクどころではない。しかし、通勤にはスクータを使っている。駅まで3km位だからか?私の場合はすでに太陽が出ている昼間に出れば暖かいのだ。そこで思った、冬でも太陽の出ている時に活動すればそんなに寒くはない。(当たり前なのだが、曇の日のことは考えずに思った)帰り道も日が出ていればいいのだ。つまり、晴耕雨読ならぬ、日中仕事ってわけにいかないかな。
 
日本 Honda Cabina

私のスクーターは屋根も有り、グリップにヒーターも付いている。もちろん雨でも雪でもやって来いという代物だ。ま、もともとは雨の日でも通勤しなけりゃならないから買ったのだが、意外に真夏の直射日光も避けてくれる。しかし、顔に涼しい風は受けられず、夏場の遠出はきつい。そんな変なスクーターを何年か前に買った。

このスクータは★印5つはあげられるシロモノだ。しかし、世の中、良いものが残るとは限らないのは、さまざまなことで言える。たぶん神様がわざと完成度の高い世の中にしないのだろう。そうでないと後から生まれる人々にやる気を無くさせてしまう。産業革命が起きて世の中が変わったが、それが原因で今度はエコロジー産業が起こせるわけだ。日本は発展は産業系であったわけだがこれからどうなるのか。

 さて、スクーターの話しだが、バイクのエンジンは国際的に2サイクルエンジンが禁止になった。そのためすべてが4サイクルになった。そんなこともあって人気があっても古い機種は製造できないことになる。

 だから、2サイクルの大型オートバイなどは20世紀の貴重なコレクターズ・アイテムだ。私のコレクションにも2サイクル250CC車が3台ある。80年代のバイクバブル時代のモノで、公害撒き散らし型だ。いずれ走らせる時には税金が上がってしまうかもしれない。

 そんなこともあって絶版車ばかりだ。まあスポーツタイプはたまにしか乗らないので良いのだが、通勤用スクータはこまる。私の屋根つきスクーターのホンダ・キャビーナは5年ほど生産されて終了した。多分ヒットはしなかったのだろう。たしかに人からは「ピザ屋?」と言われたが、雨の日にも気軽に乗れるのはこれしかなかったのだ。ピザ屋のように3輪車ではない、れっきとした2輪スクーターなのだ。このキャビンの中にいる気分はなんとも落ち着くのである。なんと言うか子供のころに憧れた気がする風景なのだ。中学生のころに飛行機のプラモデルに夢中で、飛行機に憧れていた。高校に入り免許をとってバイクに乗り始めた時、バイクの浮遊感覚というかアンバランス感覚が飛行機に似ている感じはした。まあ、ゼロ戦物の漫画のせいだろうが。そして地上数十センチの飛行機のつもりでバンクをし、たまに墜落をした。撃墜マークの代わりに撃コケマークを車体に刻んだ。
 この当時の飛行機プラモデルは1/32という大型がブームで、そのサイズではコクピットが詳細に作れたのだ。どうもその模型飛行機のコクピットに憧れたのかもしれない。まあ、コクピット付ならピザ屋の使う3輪式がまだあるが、2輪の国産機は無くなったのだ。代わりにドイツ機のBMWから一機とイタリア機が一機ある。

 
ドイツ機 BMW−C1
イタリア機 Benelli ADIVA

これを「屋根付スクーターの三国同盟」という。いや「屋寝付きの枢軸国」かもしれない。やはりこの3国は同じことを考えるのか?

 もっとも雨の多いイギリスもバイクの国なのに、「屋根付スクーター」は無い。いや現在はバイクメーカーが無いのかも・・・。いや、イギリス人はスクーターにトレンチコートをオプションで付けているのかもしれない。最後にハーレーのアメリカは屋根付トレーラーにバイクを積んで移動するのだろう。

 テーマの「冬でもバイク」だが、基本的に屋根や風防付のスクーターだが、これがバイクのメリットを消してしまうことにも気がついた。それは長時間走った際に通常のバイクの場合はエンジン周りにグローブをした手をあてて暖をとることができる。ところがエンジンがフルカバーされたスクーターはこのが取れないのである。これは逆にいえば夏は暑いということになり、やはりフルカバーされたスクーターの方がオールマイティである。

 さて、私のお勧めする冬でもスクーターはホンダのキャビーナと言うが、すでに絶版になっている。現在不可欠の道具となっているこのスクーターを長年乗りつづけるために、今からレストア対策の必要もある。私の物は1995年に買って、駅までの通勤のみのため7年を経て今やっと1万kmになろうとしている。メーターはあと数百キロ走れば、新車と同じにもどる。それを機会に少し磨いてあげようかと思う。欲しい人はInternetオークションなどで探すといいでしょう。

 ちなみに特長を記しておきましょう。1994年9月6日発売。2サイクル50&90ccの2タイプ。

 車体が重たいので、馬力のある90ccの方が良いのだが、2輪免許が必要になるので、50ccにしておくと家族の足になって便利です。ちなみに私は50ccですが、不便は感じません。

 シート下には大型のトランクがあり、ヘルメットを入れなければA3サイズのバッグまで入ります。また、リアのキャリアを付けておくと何でも運べます。このキャビーナには屋根を支える為に柱がついているので、そこにゴムベルトをいつも巻きつけています。箱物などを運ぶときにこれで押さえるのです。それでこんな変な物を運んだこともあります。写真のようなゴミ焼却炉を買ったときです。友人の家までキャビーナで行き、友人のクルマで移動していたときに衝動買いをしました、そして彼の家まで持って帰り、それからどうしようかと考えたのだが、クルマで取りに来るのも面倒だし、友人に運ばせるのも申し訳無い。そこで試してみたのです。できるかどうか。そしてこんな姿になりました。

 
5Kmほどバイパスを走ったのですが、周りの車は石炭スクーターと思ったかも知れませんね。
(ちなみに、煙突は外して、中にいれていました。ちょっと過剰演出しました。)

でも、これなら冬も背中が温かいかもしれませんね。

それでは、次回まで。
 Editor in chief : Acchio F. Magonotti   Copyright : MAGO-NET 2002