Vol.5 評価:★★★★☆

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絶版:カシオFivaシリーズ!

 カシオFiva〈ファイバ〉のネーミングは、いつでもどこでも使って欲しいという意味で、Always、Anywhere、Anybody、Anything、Anyhowの5つの言葉の 頭文字である『A』を組み合わせた『5つのA(FIVE+A)』をあらわす造語だそうだ。とにかく小さいのが特長で初期型は万人向けだったのだが、その後は女性向けに徹したようでカラーリングもごらんのように明るいものになってしまった。私には似合わないがハードディスク容量がみるみる増えていて、今思えば後期型が欲しいところだ。その後、AV機能充実の大容量HDタイプがでたが、ユニークさが無くなってしまったようだ。今回のリポートでは初期タイプを中心に紹介する。

6.7型SVGA液晶の初期タイプ100シリーズのバリエーション

1998年11月:初期型(HD3.2GB)
2000年2月:中期型(HD6GB)
2000年11月:後期型(HD10GB)
Windows 98
Windows98 Second Edition
Windows Me 日本語版

 かなりユニークな機種で当時の世界最小SVGAノートPCで両手でつかむと右手の親指で液晶画面横のトラックパッドを使うことができる。この親指で操作するサム・パッド方式は購入当時ぎこちなかったが、逆に今は使い安いと感じる。SONYバイオUの右親指ポインターより全然使いやすい。このユニークさが受け入れられなかったのか、次の第2世代機種では普通のスティックタイプになってしまった。
 サイズは 210(幅)×132(奥行)×25.4(高さ)mm / 約840gで結果的に貴重な機種となると思う。すでに絶版であるが中古があったら買っておきたい機種だ。ただし、周辺機器を使うためのポートリプリケータが必要。

8.4型SVGA液晶の第2世代200シリーズのバリエーション
2001年2月:前期型(HD20GB)
2002年10月:後期型(HD30GB)
Windows Me 日本語版(XPへの対応可能)
Windows Me 日本語版(XPへの対応可能)

 大きさが(幅)223×(奥行)197×(高さ)21.2mm(最薄部)/ 約990gと大きくなった。画面も8.7型と大きくなった。奥行きが60mmも大きくなり、完全に別の機種である。しかし解像度はSVGAで前の機種と同等ではあまり意味がない。

初期タイプの後期型の画像だが、シリーズそれぞれカラーが違うだけだ。 

これが本体の寸法説明だ。
これが画面の寸法だ。

 今回、このFivaに戻った経緯を整理してみよう。

1.モバイル用文字入力機器がほしい。(キーボードのあるモノ)
2.バッテリが持つ。
(最低限通勤の片道:1時間)
3.小さく、軽い。
4.PDAの新型ザウルスはCPUが遅すぎる。
5.ノートPCのVAIO C1は標準バッテリーが30分しか持たない。
  なおかつ、バッテリ容量が減るとたち上がらなくなる。

 上記ようなことから、次の検討をしました。

1.シグマリオンやジョルナダを検討。(キーボードのあるモノ)
2.昔のPowerザウルスとキーボードの組み合わせ。
3.昔のカシオペアFivaを再検討。

 それではなぜ昔のFivaを使わなくなってしまったのか。

1.SVGA画面サイズが狭く感じだした。(他の機種がXGAサイズに大きくなった為)
2.バッテリーが持たなく感じた。
(他の機種が長いような気がした為)
3.CPUスピードが遅く感じだした。
(他の機種が早くなった為)

 しかし、Fivaを再度見直した理由。

1.SVGA画面サイズが狭く感じだしたが文字を打つには十分であった。
2.通勤の片道
と考えたら十分だったバッテリー。(目的がハッキリしたため)
3.CPUスピードが遅くても
使用目的はクリアできる。(PDAと比較すれば全然良い)

 しかし1998年の11月を、ほぼ1999年の頭と考えるとすでに3年が過ぎている。初期の1年間使ってみたが2000年を迎える頃には次の機種が登場し、世間ではSONYのバイオC1の人気があった。そこで2001年にはバイオC1を試すことができたのだが、本格的なモバイル的な使い方はせず、カメラ付ノートPCとして使っていた。もちろん持ち出してもバッテリーは持つものと思っていたのだ。しかし実際には先に書いたような結果だった。今回、インターネット上のさまざまな意見で面白い見解を目にした。
 それはノートパソコンは軽く、小さく、価格は安く、バッテリーは長くという建前だが、メーカーとしては技術は投入しなければいけないのに、
価格は下げなければいけないという板ばさみになる。そこで、PC本体は安いが、付属消耗品のバッテリーで収益を上げるという考え方だ。買ったことがある人にはお気づきだと思うが標準バッテリーでも本体価格の10%以上する。大容量バッテリーなら20%以上する。ましてやバッテリーは消耗品だ。5本も10本も買う事は無いだろうが、実質価格プラス2割かかると思ったほうが良い。
 今回、私の提案するFivaの場合も本体が15万位だったのだが、大容量バッテリーは3万円ほどし、量販店でも2万円以上したので買うことができなかった。仕方なく、この標準バッテリー一本で対処するしかなかったのだ。
 また、バイオC1の場合バッテリーは2本買ってあったのだがどちらも30分しか持たず、なおかつ充電容量がフル充電でないと、立ちあがりの途中で止まってしまうのだ。するとAC電源プラグをささない限り立ちあがらないのだ。他のバイオシリーズをっている人もバッテリーの不満を言っていたので個体差ではなく、商品戦略ではないかとも思える。
 私のFivaは省エネとコンパクトな設計のためにカシオが選択したCPUはMediaGXと言うものだ。スピードは現在では遅い200Mhzである。その後233Mhz、そして300Mhzと新化して行くのだが、逆にスピードアップは電力消費も
増えることになる。つまり、自分で満足のいくスピードであれば遅い方がバッテリーは長く持つのである。しかし、メーカー側でこの発想を提案しても納得してもらえないだろう。この発想は使う人だけができるのである。その後、省電力型だという触れ込みで「クルーソー」というノートPC用のCPUが登場して、バイオC1にも結果的に使われたのだがどうも期待に応えていない気がするのだ。また、Fivaの時期型にもこの「クルーソー」が使われた。この機種の状況は私には分からないが、VAIOでは活きていないことは確かだ。

 そこでFivaを見直したワケだ。その理由をまとめてみよう。

1.SVGA画面サイズが狭く感じだしたが文字を打つには充分であった。
2.通勤の片道と考えたら充分だったバッテリー。(目的がハッキリしたため)
3.CPUスピードが遅くても使用目的は充分クリアできる。(PDAと比較してみれば全然良い)

 このように整理してみると、マスコミの記事では欲求にきりがなく、より早く、より長くと記事を書いて行くが、実際のところ自分に取って何が必要かと考えてみると充分なものはすであるのだ。

 このFivaの特長をまとめると、FIVAシリーズでは、CPUをWindowsノートで一般的なIntel製ではなく、National Semiconductorの「Geode GXm(Media GX)」にすることで、構成部品を削減し、バッテリの長寿命化を図っているのが一番のポイントであった。つまり、もともと小型・軽量・長時間バッテリー寿命の性能を持っていたわけだ。今回さまざまなインターネット上の記事を読んでみるとCPUスピードが遅いとかメモリー容量が少ないと言うような意見があるのだすが、たったA5サイズにも満たない、画面サイズもハガキ位しかないものに何を求めているかと言うことだ。軽自動車にロールスロイスの仕様をもとめてもしょうがないのである。 

 実は今回だけがこのマイナーな機種の良さを見つけたと思ったのだが、インターネット上で検索していたら、かなり多くのFivaサイトがあったのだ。マニアにとっては注目の機種だったのだ。ポイントはやはりこの大きさである。A5サイズにWindows98以上のOSが動くのだ。このサイズになるとモバイル・ギアなどのWindowsCEになってしまうのだが、あのWindowsCEはWindowsと同じに思ってはいけない。PDA用のOSと考えた方がよい。つまりこのFivaは外観は小さいがしっかりしたパソコンなのだ。そこでマニアは改造してWindows2000やLinaxを入れたりしているのだ。

 昔の記事を読んでみてもバッテリー時間は標準バッテリーのカタログデータは3時間だが実質は2時間であるとか、大容量バッテリーはカタログデータは6時間だが実質は4時間と書いてある。これで充分なのだ。VAIOを含め数時間持つかどうか疑惑のバッテリー容量なのだから・・・・

 またこのFivaはポインティングデバイスがサムパッドと言う右手の親指で操作するのだがこれが慣れると便利なのだ。電車内で立っている時などにしっかり両手で掴んでいたい。このカタチは東芝のリブレットから始まったが。リブレットはボタン式ポインターだった。これに似たものがVAIO-Uであるが、素早くポインターを移動できないのだ。またリブレットの場合は右手の裏側(PCの表面)にクリックボタンが付いていて、マウスの感覚で使った。FivaとVAIO-Uは両手で掴むカタチで、2つのクリックボタンは左手の親指で操作する。しかしFivaの場合、トラックパッド上を叩くようにすることでクリックと同じ操作ができる。この2つで圧倒的に違うのがこの部分である。

 VAIO-Uの場合書類を開いたり、動かしたりする際はこの持ち方のままで良いのだが、文字を打つためにキーボード上で片手打ちをする際に左手はがっちりと本体を支えていることになる。そのあとに書類を動かす操作をする際に両手をしっかり持ち直さなくてはならない。Fivaの場合、右手をトラックパッドにあわせれば移動もクリックも片手でできるのだ。

 また、液晶画面部分が180度まで開くので、車中ではA4の雑誌を見る感じで持つこともでき、見ることも操作することもできます。キーも片手打ちで打てるのです。

その他のポイント

 キーボードも左の画像のように十分な大きさがありますし、机の上や席に座った際のバッグの上に置けば両手打ちもできます。やはり両手打ちは圧倒的に早くキー入力ができます。このことはPDAやVAIO-Uなどのいとりあえずキーボードがあるというのとは大きな違いです。
 VAIO-c1の場合、キーボードは大きいのですが、ポインティングスティック方式でこれがまた片手打ちの際に面倒なのです。
・・・というようにこの機種にしかない特長をFivaは持っているのです。Fivaも2代目の200シリーズは残念なことにスティック方式になってしまいました。

 これだけ、お薦めするFivaなのですが、すでに絶版になっています。どうしても手に入れたい方はネット・オークションなどで手に入れるしかありません。マニアで無い方が買ったモノは私の初期の状態と同じで意外に手放してしまいそうです。あとはオークションでGETできるかどうかです。ただ、PCマニアは無理矢理お金をかける気もないのでリーズナブルな価格でおさまるようです。現在の相場は5万5千円前後のようです。発売時は3倍もしたのですから、お買い得です。私もそろそろ、予備を考えています。ちなみに今回、オークションで大容量バッテリーを購入できた。これで、電車内以外にも喫茶店などでも作業ができることになりとても重宝です。6時間は持たなくても4時間も喫茶店に入れませんから。

 とりあえず、左のコンテンツににFiva関連の情報をリンクして起きました。是非参考にしてみてください。
それにしても私の気に入ったモノは何故?絶版になっていくのでしょう。

この項おわり
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