Vol.4

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速報:モバイルマシンの研究!

 前回、PDA候補の新型ザウルスがイマイチだったため、また一から研究することにした。先日アップルから新型のPowerBookG4の小型版が出たがその評価も踏まえて今回の研究としたい。

 まず、いったい何の目的で欲しいのか確認する必要がある。普通の人がPDAに求めるのはスケジュール管理とアドレス管理と思われるが、これに関してはどこのものも似たようなものでWindowsならoutlookで十分。Macの場合も現在ではiCalというスケジューラーが出てきた。
 私の場合独自のスケジュール管理の考え方があるため、それは中途半端でしかなく結果的に自分で作るしかなかった。いずれ紹介する。

 ポイントを箇条書きにしてみよう。

1.スケジュール帳
2.アドレス帳
3.メール送受信
4.WEBブラウズ
5.メモ帳、ワープロ
6.表計算
7.パワーポイント
8.プレゼンテーション

 ここまで欲張ったらノートPCしかない。そこでこれに近いPDAかなるべく小さいノートPCになる。結論から言えば大半のPDAはおもちゃと考えた方が良い。たとえば最新のザウルスだが初期のデスクトップPCと同じ画面サイズを持つに到ったが、実用性はイマイチ。スピードや互換性などPCをイメージしてはだめだ。例のスケジューラーは開発がすっかり止まってしまっている。

 胸ポケットに入る手帳の代わりなら、PDAで良い。次にメールを読んだり送ったりするなら携帯電話で間に合う。ここで今回、私が欲しかったものはワープロ機能なのだ。

 なぜなら、このMAGO-NET Timesの原稿を書くにあたって、電車中に貴重な時間を求めたのだ。自宅から東京銀座の仕事場まで地元の電車が20分、横浜から東銀座までが35分。以前はJRを使っていて新橋駅を利用していたので、東銀座へは地下鉄への乗換えが必要だった。そのため3本の電車を乗り換えるため、電車の乗り継ぎが多く時間も短かった。しかし、都営地下鉄を使ってみたら、京浜急行とつながり一本で横浜までこれるではないか。ましてや値段も乗り換えより安いし、遅い時間の帰り道なら地下鉄部分では混むまないので座れることもある。行きも時差通勤を徹しているので座れるのである。この時間は有意義な「車中書斎」である。ここで原稿を書くことに決めたのだ。乗り継ぎの間のホームでも書けるのでほぼ1時間は使えるのである。

 そこで、早速12月のMAGO-NET Times立ち上げ時から、SONYのVAIO-C1(2001版)を使ってみた。以前にペン入力のザウルスを使っていて、キーボード式のものでないと文章は打てないとわかっていたので、このキーボードの大きなモバイル機種を試してみた。あとモバイル機器の重要な要素はバッテリーの持ちである。しかしスタミナバッテリーとうたっているSONYである。たぶん平気だろう・・・・と思っていたのだが、これが最悪であったのだ。

 このC1に使う標準バッテリーは2時間持つはずになっている。まあ、半分にみて1時間は持って欲しいところだ。ところが持って30分なのである。私の経路で京浜急行と都営地下鉄の35分もカバーできないのだ。25分もすれば警告が現れ作業を終了する羽目になる。また、予備のバッテリーが一本あるのだが、これもフル充電の生きの良い奴でないと立ち上がらない。80%くらいの残量でも立ち上がらず終了してしまうのだ。この後はACアダプターを繋げないと全く反応しないのである。

 結局、片道1時間中30分程しか使えないのだ。これではバッテリーのゲージを見ているだけだ。とにかくタイマーのように目盛は動いていく。私の設定が悪いかも知れないと思い、いくつも試してみたが全く変わらない。特にバッテリー使用時の画面の明るさを暗くしても時間は変わらなかった。バッテリーの寿命と言う人もいるが、まだ1年たらずで、これではリチウム電池が泣くというものだ。以前にやはりSONYのサイバーショットという小型デジタルカメラが登場したときもバッテリの持ちがひどくて、カメラより大きな乾電池ボックスを付けている人がいた。
スタミナを売りにするソニーだが「スタミナ切れバッテリ」を伝えたいのかな。

 さて、このことで入力機器としてのバイオは良かったのだが、実用性がないことがわかった。また今回の経験でモバイル機器はバッテリーが持てば電源アダプターを持ち歩かなくて良いかと思ったのだが、違うことがわかった。そのルールを箇条書きにしてみよう。

1.バッテリーは電源のない場所での電源であり、AC電源が取れる所では
  それを使うもの
である。

2.バッテリーは車中や屋外で使う時のものである。

3.飛行機で長時間使いたいなら、バッテリーを何キロも持って行くかMacにする。

4.モバイルNotePCはファッションと心得よ。

5.仕方なくバッテリー使った後に電源があればすぐに充電。あなたは
  電動人間なのだと心得よ。

 つまり、バッテリでの使用がメインではなく、たまたま電源のない所でも使えるのだと考える必要があるのだ。

 この一件で全く振り出しから、移動時の文章入力機器について考えることになったのだ。その条件は下記のようになる。

1.キーボード入力ができること。
2.バッテリーが1時間持つこと。
3.画面の文字が大きく見やすいこと。
(老眼になってきたので)
4.テキストデータが取り出しやすいこと
(データ変換作業が不要なこと)
5.できるだけ本体が軽くて小さいこと。
(バッグの外側のポケットに入れたい為)

 上記の中で絶対的に気になるのがバッテリーである。そこでノートPCを一旦あきらめてPDAで考えて見ることにした。PDAでしっかりしたキーボードの付いているものはNTTドコモのシグマリオンか、HPのジョルナダである。どちらもWindow for Handheld PC 2000 日本語版ということもありマイクロソフトとのデータ互換はある。HPのものは以前はモノクロ液晶の物もあったが現在はカラー版だ。しかし、WindowsCEやWindow for Handheld PC 2000 のデータの管理の仕方が通常のWindowsのようにファイルやフォルダーのドラッグコピーのように簡単ではないらしい。

NTTドコモのシグマリオン
HPのジョルナダ

 ついでだったので以前に買っておいたPowerザウルス(1995年の初期型)とキーボードの組みあわせを試してみることにした。キーボード入力はできるがこのバラバラの機械では電車の中で立って入力ができないだろう。そのための治具が必要だ。バッテリーは何とか持ちそうだが、データはコンバートしなければならないし、キーボードの配列などがパソコンと違うのだ。そのようなこともあり、やはり最新型のザウルスを見に行くことにした。
 昨年末の登場時と違い、人だかりもそれほどない。しばし文字を打ってみる。変換も悪くないがやはり小さなキーボードに詰め込むため両手打ちは無理だし、何より「ー」音引きのキーが右上ではなく左の下にある。こんな配列にしてはいけないと思う。やはり文字入力のためではなくデータを見るための機械のようである。これでPDAは完全にあきらめることにした。そうなるとノートPCなのだが、一時の小型化は行き着いたようで、現在はAV機能を売りにしているようだ。だったらオーディオで良いではないかと私は思うのだが・・・。

 さて、小型のノートPCはSONYのバイオU1があるが、以前に書いたようにいくつかのイマイチな部分と、同じSONYバッテリーであり少し不安である。また大型バッテリーが発売されているが本体の半分ほどある厚さである。

 他社だとビクターのInterLinkというのがあるが、流行のAVノートパソコンだ。CPUの性能などを考えると電力消費は多いだろうと思われる。私の文字打ちを中心に考えた場合、その他の小型や薄型のパソコンもあまり魅力はない。・・・と言うわけで現在発売中のマシンでこれというものがないのである。

 とくにバッテリーの消費を考えると思いつくのはMacのiBookだ。ノート型Macは電源管理の仕組みが良くできているらしく、もともと標準バッテリーで5時間が基本だ。もちろん日本のメーカーの標準に比べればかなり大きなバッテリーであるが、さすがにアメリカ人は実用性でしか買わないだろう。そこでとても安くなったiBookに興味を持った。例のVGA画面の新型ザウルスの店頭価格は6万ほどだが、その2倍も出せばXGA画面のPowerPC G3チップのMacが手に入る。大きさはAB版サイズのマニュアル本位あるし、重さも約2Kgで国産ミニ・ノートの2倍はあるが、我慢できるだろう。とにかく値段が安いし3年前に40万以上で買った黒ボディのPowerBookG3以上の性能なのだ。

 気にいらないのは唯一PCカードスロットがついていないことだ。私はドコモの64Kデータ送信のできるPHSを使っているのだが、これが使えないのだ。このPHSはすでに4年ほど経つのだが、カタログから無くならない。唯一電話もできてデータ送信もるPHSなのだ。また、Mac用のドライバーが出ている唯一のドコモ製PHSなのだ。これについてはいずれ記事にするが、とにかくデータを移すためにもPCカードスロットが欲しいのだ。この記事を書いてる前日にAppleがアメリカのEXPOで新型PowerBookG4が発表された。ひとつは17インチ液晶画面がついた超大型ノートパソコン。これではノートとは言えない。私だったら「PowerスケッチBook」とでもしたいところだ。まあ、以前からある15インチ液晶でもスケッチブックではあったが。これと同時発表の12インチ版が出た。これは12インチ液晶では世界一小さく軽いという。私は「これできまり」かなと思い、さっそく昨日Internetで調べてみた。結論から言えばこれはiBookのG4版ということだ。もちろんG4の性能を小型にしてくれたことは結構なのだが、ベースがiBookなので、やはりPCカードスロットが無いのだ。このことでとりあえず、見送ることにした。今回のPowerBookシリーズについては早々にレポートする。

 ついにここに来て行き詰まってしまった。思い当たるマシンは1998年に購入したカシオのFivaというミニ・ノートを持っているのだが、画面が800x600のSVGAという一昔前のものだ。そんなこともあり最近はほとんど使わないでいたのだ。しかし、今回新型ザウルスのVGA画面でさえ魅力に感じたのだから800x600もあれば十分である。買った当時は「これを待っていました!」と気に入っていたのだが、WEBを見るなどしているうちにだんだん大きな画面が欲しくなり、その上のXGA画面を欲していたが、実はSONYのU1を見て気づいたのだ、ミニ・ノートで画面の解像度が上がる言うことは文字が小さくなるということなのである。つまり見にくいのだ。その上、今年に入ってすっかり「老眼」が進んでしまって、もはやAppleの大型ノートパソコンの方が良いと思うようになってしまったのだ。そこでこの一時代前の800x600画面のPCが俄然復活してきたのだ。ほとんど忘れてしまっているこのマシンに火をいれて、研究してみることにした。

 これがびっくりする結果になったので、次回はこのマシンの紹介リポートをしよう。、

絶版:カシオFivaシリーズ! へつづく
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