No.005

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アートって何!

 「日本からゴッホが去っていくのが寂しかった」。作者不詳の絵が一転ゴッホの油彩画「農婦」と判明、オークションに出品され、6600万円で落札した「ウッドワン美術館」(広島県吉和村)館長の中本利夫氏(73)が9日、同館で記者会見し「満足している」と獲得の喜びを語った。「農婦」は今年4月中旬に公開予定。
 ということで話題になったゴッホの絵とその価格と芸術性について、話題になっている。

 朝日新聞の2月15日付けで南伸坊氏がコラムを書いている。「・・・芸術にくわしくない人は思うのである。どうも腑に落ちないものを感じているのであった。」というような話で芸術と価格と言う話を論じている。そして、芸術価格のインチキ性について柔らかくのべている。私も同感なのだが、私は次のようなことに気づいたのだがいかがだろうか。

 それは本日、NHKの番組で「ピールアート」の作家才田春光さんと言う方が出ていたのだが、その「ピールアート」なるものは「普通は捨ててしまう果物や野菜の皮を主な素材として、器やオブジェなどを創作るアート」なのだ。それが美しいのだ。その時思ったことが、他人が美しいとか、綺麗とか、すごいとか感じ、感動を与えられればアートなのではないかと。感動しているのだから手元に置きたいと思う、だからお金を積んでも欲しがるのではないか。

 と、考えた時にこのゴッホの絵は美しいとは思わない。迫力もない。朝日新聞の記事で修復前の絵と並べて載っていたが、オリジナルの方が筆の使いかたから鼻や口元の表現が断然迫力がある。だから、修復前の絵ならゴッホの価値があるだろうが、この絵は落書きされてしまったゴッホのキャンバスでしかないのではないか。やはり1万円の価値ではないかと思うのだ。
 この絵の価値はゴッホのオリジナルの元絵のキャンバスであることである。骨董品や文化財的な価値である。そうであればオランダが民族の文化財として持つことに価値はあると思うのだ。
 いくらこの絵を全国の美術館で公開されてもアート的には、さほど美しくない。鑑賞者はこの話題になった記事と価格プレートが無いと価値が分からないのではないかと心配だ。

題名 ゴッホ作「6,600万円の農婦」と付けるのだ。


ゴッホの最後の傑作
「オーヴェール・シュール・オワーズの教会堂」

 口直しにゴッホの作品を紹介しておきましょう。
 40枚以上にものぼる彼の自画像の中でも最後に近い1枚となった作品、彼が南仏はサン・レミの精神病院に入院していた頃(西暦1889年9月)のことだそうだ。
 この作品をゴッホは、友人となった医師ガシェ氏に贈った。そして、その翌年...。

この回おわり
近いうちにピールアートを紹介しましょう。

 Editor in chief : Acchio F. Magonotti   Copyright : MAGO-NET 2002