1998.4.30

 
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第4回 圧縮と解像度モードと選び方

 さて「デジタル・カメラの選び方」ということである。実は、これが一番期待されていたページなのだが、実際の所、昨年までは「30万画素」程度の物がたくさん発売されていただけで、さほど紹介する物がなかったのである。なぜかと言えば、「30万画素」の縦480 X 横640とは別名「VGA」と言われるものは、ビデオ画像の静止画キャプチャーの画素数と変わらないのである。
 細かく言えば、CCDが長方形であったり、補色フィルターであったり、インタレーススキャンであったりと完全にスチールカメラ用に開発したものとはビデオは違うのだが、この1〜2年の商品は過渡期の製品が多く一長一短である。
 そこでどのようなポイントをみたらいいのか、そのメカニズムについて説明する。


その2:画像の圧縮と解像度のモード

 低価格のコンパクトなデジタル・カメラの場合、データを軽くして保存するために各種のメディア(保存媒体)用に圧縮方法や画像サイズや圧縮モードなど色々とありそれを知らなければ性能を理解できない。

<画像モード>

1.エコノミー(スタンダード)&ファイン モード系
 初期の低解像度のVGAなどの場合はそのカメラの最高モードの「ファイン」と最大圧縮した「エコノミー」の2種類だった。実際のところファイン」でも圧縮はしているので、拡大すると圧縮のノイズが見られる。「エコノミー」は枚数を稼ぐためなのでクォリティを気にしてはいけない。

2.高精細&精細&標準 モード系
 80万画素のカメラが出たときに現れたモードで、80万画素とは1024 x 768ピクセルのXGAという画像サイズである。このサイズの「ファイン」とより圧縮した「ノーマル」、そしてVGAまで画素を減らしたものを「エコノミーまたはスタンダード」としている。しかし呼び名は各社まちまちなので、混乱する。

3.SHQ&HQ&SQ モード系
 130万画素のオリンパスCAMEDIAは、130万画素1280 x 1024ピクセルのというVGAの面積で4倍の画像サイズである。このサイズの最高モードを「SHQ」とし、もっと圧縮したスタンダードモードを「HQ」、そしてほぼVGAの640 x 512ピクセルまで画素数を減らしたエコノミーを「SQ」としている。

デジタル画像の使用サイズ
画素数
横縦ピクセル数
メモリー
総数
最高画質
スーパーファイン

SHQ
高画質
ファイン

HQ
標準
スタンダード

SQ
保存メディア
8万
QV11など
25万画素
320 x 240
内蔵メモリー
30万
QV300など
640 x 480
320 x 240
内蔵メモリー
DimageVなど
640 x 480
640 x 480
SmartMedia
50万
PowerShot600
24bitカラー
8bitモノクロ
PCMCIA HD
80万
Calarioなど
1024 x 768
640 x 480
CompactFlash
100万
Kodak DC210
1152 x 864
640 x 480
FlashPix
130万
1280 x 1024
1280 x 1024
640 x 512
SmartMedia
200万
EOS D2000
36bitフルカラー
RGB各色12bit
PCMCIA HD
600万
3060 x 2036
36bitフルカラー
RGB各色12bit
PCMCIA HD

 このように高解像度のメガピクセル機になると高品質画像と枚数の多さとどちらをとるかという目的によって、圧縮率と画像サイズの両方でモードを変えているので注意が必要だ。また、キャノンの製品では記録メディアをPCMCIAのハードディスクや大容量のFlashメモリーを使い非圧縮で記録できる。

 ほとんどの圧縮データ形式はJPEG形式が基本だが、その中でもJPEG(exif)ジェーペグ・エグジフという方式が共通方式になろうとしている。このフォーマットに統一することで、メーカー毎のフォーマット違いをなくし、周辺機器を利用できるようにしようと言うのだ。現在オリンパスJPEG準拠ではあるがexif・エグジフでは無い。当初オリンパスはexif・エグジフにはしないと公言していたが、つい最近折れたということである。


 ちなみに富士写真フィルムから発売されている葉書サイズプリンター“プリント・イット”「TX−7」は、デジタルカメラの画像をダイレクトプリントできる。たとえば富士写真フィルムのデジカメで無くても、パソコンを経由せずにスマートメディアを差し込んでそのままプリントできるのである。ただし、この時の記録メディアがスマートメディアであり記録フォーマットがJPEG(exif)である必要があるのだ。
このフォーマットに対応のメーカーは下記のようであり、オリンパスはスマートメディアを使っていながら現在はこのリストに入っていないのである。
採用しているメーカグループー:富士フィルム、東芝、ミノルタ、アップル、サンヨー、リコー


その3:保存メディアの種類と特徴

 低価格のデジタル・カメラの場合、データを保存するために各種のメディア(保存媒体)と圧縮方法、そして画像サイズや画像モードなど色々とあり、それを知らなければ理解できない。

<メディア>

1.スマートメディア
 東芝の開発した記録メディア。発売当時5V電圧だったが、その後省電力の3.3Vタイプが登場し、現在はこれが主流。古いカメラには互換性が無いので注意が必要。
(コピーはSSFDCフォーラムのホームページより抜粋)

(株)東芝が開発し、規格を提唱する次世代のNAND型小型フラッシュメモリカードです。電子スチルカメラや携帯用情報機器のリムーバブル記憶媒体として最適です。 愛 称を「スマートメディア(SmartMediaTM)」といいます。SmartMediaTMは、従来のPCカードに比べて面積が約三分の一と小さく、0.76mmの薄さです。デジタル電子スチルカメラ、携帯用情報機器等の一層の小型化に役立つものと期待されています。
採用しているメーカグループー:東芝、富士フィルム、ミノルタ、アップル、サンヨー、リコー、オリンパス


主な特長

●超軽量 2g

●超小型 45.0×37.0×0.76mm

応用製品の 小型化に適している他、
手帳やパスケース にはさんで携行
できるなど携帯性に優れています。

2.FLASH PACKER
 世界標準である PCMCIA(PCカード)に対応のフラッシュメモリー。
(コピーはEPSONフラッシュ・パッカーのホームページより抜粋)

国内トップシェアのEPSONのフラッシュ・パッカー。PCMCIA TYPEIIスロットを搭載しATA仕様に準拠したPDA、サブノ ートPCやデジタルカメラなどでご使用になれます。

3.FLASH PACKER mini
  フラッシュ・パッカー ミニは「ミニ用アダ プタ」を装着することで、世界標準である PCMCIAに準拠したフラッシュ・パッカーと 同様の使用が可能。デジタルカメラ用にはこれを用いる方が多い。
採用しているメーカーグループ:NEC、カシオ、キャノン、京セラ、コダック、コニカ、松下電器、エプソン

フラッシュ・パッカーと同様に、高性能32Mbitフラッシュチップの採用により、PC カードのわずか1/3、厚さ3.3mmというコ ンパクトサイズ。しかも最大容量20MBを実 現しました。

※FLASH-PACKER miniはCompactFlashに準拠しています。
CompactFlashは米国SanDisk社が提唱し、CFA(Compact Flash Association:CompactFlashの標準化推進組識)が標準化および普及を推進しています。

3.PCカード型 ハードディスク
 主にポータブルPCで利用されるカード型拡張デバイスのための標準規格。「PCMCIAカード」と呼ばれることも多いが、厳密には「PCカード」と表記するのが正しい。Type ××は、PCMCIAが規格化した本来の仕様とは別に、必要に迫られたハードウェアベンダが外形寸法などの規格を提案し、承認されて一般化したもの。このうち現在一般的なものには、Type 2とType 3の2種類がある。Type 2は長辺が85.6mm、短辺が54mm、厚さが5mmのカード形状規格。Type 3 はこのうち厚さを10.5mmに厚くしたもの。ハードディスクなど、Type 2規格では 収まらないデバイスではType 3規格が用いられる。現在一般的なポータブルPCでは、PCカードスロットを2つ持っており、Type 2×2、またはType 3×1として 利用できるようになっている。

ちなみに2年ほど前のPowerShot600に使用しているHDカードHC-170Mは容量170MBのもので、価格は68,000円でした。FLASH-PACKERの85MBタイプは107,800円もしますので、ちょっと考えてしまいますが、現在はキャノンの高級機以外は使われていません。


 印刷物に使うことを重大に考えなければ、またホームページのコンテンツやマルチメディアの表現に使うのであれば現在のデジタルカメラは充分な性能であり、「便利」に使えるといえるだろう。

 

<デジタルカメラのメリットと注意点>

1.撮ってすぐ使えること(現像がいらない)
2.すぐ撮り直しがきくこと(フィルムがいらない)
3.すぐコンピュータに取り込めること(スキャナーがいらない)
4.フィルムのように消費物がないので、コストを気にしないで写せる
5.露出が無造作にできること(ビデオ感覚)

一言で言えば「お手軽」なことである。しかし、クォリティにこだわる人ならこのデジタル・カメラの中で性能の違いを知りたいはずだ。
そこでいよいよ<デジタルカメラの比較と選び方>を考えてみたい。

次回、<デジタルカメラの比較と選び方>こうご期待。

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